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小林秀雄の言葉 ( その57 ) [小林秀雄]

 凡ては永久に過ぎ去る。誰もこれを疑う事は出来ないが、疑う振りをする事は出来る。いや何一つ過ぎ去るものはない積りでいる事が、取りも直さず僕等が生きている事だとも言える。積りでいるので本当はそうではない。歴史は、この積りから生れた。過ぎ去るものを、僕等は捕えて置こうと希った。そしてこの乱暴な希いが、そう巧く成功しない事は見易い理である。     「ドストエフスキイの生活」 11 - 一一〇 小林秀雄 (人生の鍛錬 P.79)
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